「はぁ、田貫...お前は何でそこまで朝が弱いんだ」

「そうですね、それはそこに朝があるからじゃないでしょうか」


「お前自分で言ってること理解できてるか?」


ボーっと寮長さんの顔を見ながらまた私は寝そうになった。


「このアホ!顔を洗って来い!」


寮長さんに洗面所までつまみ出されて私は暫く水に手や顔ををつけてみた。


そうしていると、どんどんと眠気が覚めてきた。


洗面所から出て食事処に戻ると、キャリアウーマンという風貌の女性が睨みながら見ていた


「目は覚めたな?」

「おはようございます!」

挨拶をすると寮長さんは大きなため息をついた。


「お前はこれさえなければ中々まともな部類なんだがな」

「これとは?」

「まあいい、昨日より5分縮まった。それでは皆の衆いただきます」

寮長さんが号令をかけると、皆が大きな声で続けて言って食事を開始した。



ここの寮の掟、食事は皆で食べることになっている。


「田貫、醤油」

「じゃあパンと交換ね」

「は⁉お前バカだろ、何でパンと醤油取るだけが平等な交渉になってるんだよ」

「嘘だよ嘘だよ、ソーセージで構わないよ」

「はぁ、仕方ないな、ソーセージやるから、醤油よこせ」

「まいど」

醤油を渡してやると、斜め向かいからソーセージを貰った