「......また新しい男か、身分がいいことだな」


「............は?ああ、何か言った?ボソボソ喋るもんだから気づかなかったよ」



私の今の隣のヤツが話しかけてきた。



「じゃあ何?大きな声で言って欲しいの?まあ、オレはそれでもいいけど」



「というか話しかけてこないでよ、朝から嫌な気分になるから」


「それはオレも同じだから」



「じゃあ何で話しかけてくるのかな」



「はっ、そんなのも分からないの?さすが頭脳崩壊バカ女だね」


「んだとごらぁ!やんのかこのサノバビッチ」


「しー...先生くるから静かにちまちょうね」


ギリギリと歯ぎしりと握り拳をつくりヤツの方を睨むが、ヤツは涼しい顔をして本を読んでいる。


ヤツはキツネ。一年生の時に知り合いになり、そのままいい感じの仲になった時期もあったがそんなものマヤカシだったのだ。


顔は北欧の方の血筋が入っているのか、肌が白くて髪も色素が薄く銀のような色で、それに合わせて性格もクール。



最初は普通に仲が良かったのだが、よく分からないことが原因でキツネから冷たくされるようになった。



まあ、なんだかんだ楽しいからそれはそれで良しと思っている自分もいる。



「それで?この無知蒙昧なるタヌキにキツネ様どうか教えてください」


意を決してプライド的なものを捨てて言った。だけどキツネは...



「教えて欲しいならそれなりの誠意ってのがあるよね」


「あっそ、なら良いよべつに」


それぞれ相手の方を一度も見ずに口論をする。周りから見たらどう見えるんだろう。


「あんたの嫌がる顔が見たいからだけど?」



「なるほどね、そりゃ効果覿面だわ」


肩を竦めて鼻で笑って見せると、少しイラついたのか隣から小さい舌打ちが聞こえてきた。


「これだから男好きは嫌なんだよね、今日だって新しい男連れてご登校のようだったし?」


「あんたこそ早いご登校じゃない」


私たちが登校をしたのは、学校があくかあかないかの時に来たから人は少なかった。


まあ、だからといって誰もいないとあうわけではなかったけれど。



「というかさ、その男好きってどういう意味?私が男好きって言いたいの?笑わせんな、雄猿なんか興味ないわ」



とか言って別に女の子に興味があるとかそんなことはないけど。



「............あっそ」



キツネはそれだけ言ってまた本を読むことに集中しはじめた。



さて、私も今日は朝早く起きたから少し眠ろうかな.....


「皆席についてー」


運が悪く寝ようとしたその時にキリンが教室に入ってきた。


「はい、それじゃあもう皆知ってるかもしれないけど今日は転校生がきます、入って」


そう言うと少し緊張をしたようなタイガーが入ってた。