あんだけ電車に乗ってたのにまだ車で行くのか!
ちょっと驚きながらもおじいちゃんの車に乗り込んだ。
「ばあさんもご馳走作って待っとるよ~
机やらタンスやらの大きな荷物はもう運んである」
おじいちゃんのゆったりとした口調に心が和んだ。
車に20分ぐらい乗ってるとおじいちゃん達の家が見えてきた。
「ばあさん、今帰った。
千花も一緒や~」
おじいちゃんが玄関で叫んだ。
するとエプロンで手を拭きながらおばあちゃんが小走りで出てきた。
「千花、よく来たねぇ!
ここが今日から千花の家だよ」
中に入るとたたみが敷かれたリビングにちゃぶ台。
懐かしい…
テーブルの上には唐揚げやらポテトやらのたくさんのご馳走。
全部、私の好きな食べ物だ!
「おばあちゃん!
私の好きな物覚えててくれたの?」
「あたりまえよ。
可愛い孫の好きな物ぐらい知っとる」
ニコニコしながらおばあちゃんは答えた。