「また、あの丘に来てよ。
最近ずっと居ないから」


「え?」


意外な答えにマヌケな声を出してしまった。
そんな事?

確かに最近あの丘には行ってなかった。

あそこに行くと郁を連想させて腹が立ってしまうからだ。


「もちろん!
絶対行くから」


なんだか嬉しくなって私は笑顔で言った。
目が合ったのに郁はパッと逸らしてしまった。


「じゃあ、また明日」


「う、うん!バイバイ」


郁と別れてからも私は郁の後ろ姿を眺めていた。

優しく微笑んだ彼を見て気づいてしまった。



もう迷わないよ、絶対。



イッくんと重ねているわけじゃない。



郁の優しい人柄やあの笑顔、


言葉じゃ伝えきれないこの気持ち。



でも、これだけは事実。



郁に惹かれている。

あなたの事が大好きです。