あと1人は誰なんだろう…
教室を見渡すと男子が手を挙げた。

私の相手は…って郁だ!

やった!
雑用は嫌だけど郁と一緒ならいいや。

放課後が楽しみになって来た!



――――――――――――――


放課後、教室に残った私たちは2人きり。
雑用の内容はアンケートの結果をひたすら書き込む。

しかもそれが全校生徒の分…


今日中には終わるだろうけどこの量はないよな…


「問一、回答 A‥‥B‥‥A」


郁がその回答を読み、私がそれを紙に書き込んでいった。

半分を終えたところで教室に女子生徒が入って来た。


「水城先輩…ちょっといいですか?」


遠慮がちに聞いてきた彼女はきっと『先輩』と呼んでいたから1年の子だろう。


「うん。どこに行けばいい?」


郁はパッと立ち上がった。


「え…でもアンケート…」


私が呟くと1年の子は私を軽く睨みつけた。
なんか私、睨まれるような悪いことしたっけ?


「ごめん。すぐ戻るから」


郁はそれだけ言って1年生と一緒に教室を出て行ってしまった。