その後、彼は約3分間みっちり笑い続けた。


「もう!そんなに笑わなくたっていいでしょ?!」


さすがになんか腹が立ってきた。
水城くんの腕を思いっきり叩くと水城くんは腕を摩りながら言った。


「笑わせる篠塚が悪い」


えぇ!
わ、わたし…?

若干冷たい目で見る私。


「それで?
呼び止めた理由は?」


水城くんの優しい口調に怒りなんて吹っ飛んでしまった。


「きょ、今日ね加恋が居ないから一人で帰るの寂しいなって。
水城くん、方向一緒だし帰れないかなって…」


最後の方は恥ずかしくて消えそうだったけどしっかり彼の耳には届いたみたい。


「いいよ。
丁度、淳が今日はいないんだよ」


「ほんと?
偶然だね!じゃあ行こっか!」


そういえば水城くんと大西淳くんって仲良かったなぁ…


「あれ?
淳くんの家と水城くんの家って逆方向じゃない?」


数メートル歩いてやっと気が付いた。

淳くんと水城くんの家は私と日菜子のように少し歩いたところで真逆の方向へ行ってしまう。