何が起こったのかわからなくて取りあえず顔を上げた。

顔を上げると痛そうに顔を歪めた水城くんがいた。

これを見てやっと彼に受け止めて貰ったんだと理解した。


その顔を見つめていると彼がこっちを見た。


こんな至近距離で顔見たの初めて‥‥


綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。


「篠塚…?」


遠慮がちに名前を呼ばれてハッと我に返る。


「ご、ご、ごめんなさい!!!」


慌てて立ち上がり土下座する勢いで謝った。

思いっきり尻餅ついちゃったし、

そのせいで制服汚れちゃったし、

そもそもただのクラスメイトである私に呼びかけられてこうなった訳だし。


怒ってる…よね?
もう普通に話せなくなるのかも。
嫌われちゃうよ。


そう思うと涙が出そうになった。

水城くんは立ち上がってお尻についた土を軽くパッパッと掃った。
そしてプッと吹き出した。


「やっぱり篠塚は外さないね!
マジで面白い」


そして彼は本格的に笑い出してしまった。