『千花、郁久‥‥
おめでとう、そしてありがとう。
私達の分まで幸せになってね?』


夕日が沈む瞬間背後から声が聞こえた気がした。

どこかで聞いたことがあって、懐かしさもあった。

郁も聞こえたらしく2人一緒に後ろを向く。


大きな木の陰に2人の男女の姿が見えた。

小学生くらいかな?

女の子は真っ白なワンピースを着ていて男の子は白いシャツに白いズボン。


2人は透けていた。

そして強い風が吹いた。
堪らず目を閉じた。

風が止んで目を開ける。


しかしさっきの2人の姿はどこにも無かった。


「ねぇ…今…」


「あぁ…だよな‥‥」


私も郁も同じことを考えてるみたいだった。


「「花野と郁人が居たように見えた」」


2人の声が重なった。



何度ケンカしても、すれ違っても

何度離れ離れになっても


何度…生まれ変わっても


これだけは自信を持って言える。



“何度でも君に恋をする”