「痛っ!
よくこんな暴力的な女に彼氏が出来たもんだ…」


そう言ってまた加恋はニヤニヤ笑う。


そんな様子を見て真紀と日菜子は爆笑していた。


「千花、置いてくぞ」


郁はそう言って教室からさっさと出て行ってしまった。


「え!ちょっと待って!」


加恋達を横目で見ながら私も教室を出る。

慌てて追いかけてやっと昇降口の所で追いついた。


いつも私たちは遠回りして帰る。
お互いが少しでも長く一緒に居たいと思ってるから。

今日は部活がない日だったから時間があった。


「久しぶりに丘…行こうか」


郁の提案に大きくうなずいた。

丘に行くのはあの日以来。


ずっと部活とか郁の病院とかであそこでゆっくりする程の時間が無かったからだ。


「やっぱりキレイ…」


丘に着いてベンチに腰掛ける。

丁度、夕日が沈む所だった。