「こんなチャンス逃したら 2度とないかもだよ?!
それに3年になってもしクラス離れちゃったら話す事すら出来ないよ?
それでもいいの?!」


加恋はすごい剣幕でそう言った。
私は加恋の言葉に納得する。

そうだよね‥‥
こんなチャンス2度と巡ってこないかもしれないよね…


「わかった。
伝えられる雰囲気になればだけど…」


加恋はいつも背中を押してくれる。
それにすごい感謝してるんだ。



放課後になって私と郁は図書室へ向かった。
本のラベル貼りとそれを棚に戻す仕事。

2人ならすぐに終わりそうだ。


「なんか…」


郁が手を動かしながらポツリと呟いた。


「え?」


「いや、前にもこんな事あったなって」


郁はそう言って微笑んだ。


「あ、確かに!
なんか遠い昔のような気がしちゃうな…」


「だよな!」


彼は二カッと笑った。
その笑顔が私だけに向けられてる…

そう思うとドキドキする。


「ラベル、貼り終わったよ。
私、本棚戻してくる」


これ以上いると静かな図書室に私の鼓動が響きそうで慌ててその場から離れた。