神社の鳥居をくぐったところで加恋と真紀と合流できた。


「チカ、ごめんね~」


「ウチがどうしてもクレープ食べたいって言ったの!」


「もういいよ。
気にしないで」


郁は私が2人に会えるまで傍にいてくれた。
一緒に探すってただの社交辞令かと思っちゃった。


「あ、郁!」


帰り際、郁を呼び止めた。


「本当に今日はありがとう!」


笑顔でお礼を言った。


郁は私の方を見てゆっくり近づいてきた。


そして私の耳元で呟いた。


「・・・っ!」


その言葉に私の体温は急上昇した。


今の私の顔は屋台の灯りよりも真っ赤だと思う。


暗くてよかった。
だってこんな真っ赤な顔人前で見せられないもん。


「チカ!今、なんて言われたの?!」


真紀や加恋に問い詰められたけど答えなかった。

私だけが知っていたかった。


こんな特別な言葉誰にも教えたくない。