巾着袋にお財布とタオルを入れた。

時計を見ると時間はもう4時半を指していた。
駄菓子屋から歩いて10分。

でも今日は浴衣だからもう少し掛かるかな?

なんて思いながら私は家を出た。

浴衣が着崩れないようにゆっくり歩く。

駄菓子屋に着くとすでに2人はもう来ていて何かを話してるようだった。


「ゴメン!待った?
何話してたの?」


私がそう言うと2人はハッとして私を見た。


「ううん!全然。
何でもないよ!
じゃ、行こうか」


2人はすぐに話を逸らしてしまった。
目が泳いでいたから絶対に何かあると思うんだけど…


「チカ、浴衣可愛い~
すっごく似合ってる!」


「ホント?
おばあちゃんに見立てて貰ったの~」


浴衣を褒められてさっきまで気になってた事なんて忘れてしまった。

3人でおしゃべりしながら神社までの道のりを歩いた。

神社に近づくにつれ太鼓や笛などのリズミカルな音が大きくなっていく。