「他のスタッフに紹介するよ」 モニタはそのままに、矢橋は身を翻した。 矢橋に続こうとして、片岡はもう一度だけモニタに目をやった。 久城と目が合った。 モニタ越しに、久城はじっとこちらを見ていた。 こちら。 違う、彼はカメラを見ているのだ。 そのことに思い至るまで、片岡は動けなかった。 「片岡君」 「――はい」 凪いだ瞳が、奇妙に印象に残った。