悪魔の微笑み





肩を抱いていた輝の手が背中に回り……

意識が朦朧とする中、




パチン……




何かが外れる音がした。






「え?」



思わずそう言ったのと、胸回りがやたらすっきりしたのは同時だった。




「やだ……」




頭が朦朧とする中、胸の前で手を組む。



あたしは絶体絶命。

これ以上、馬鹿なことをするのはやめて!!








だが、不意にあたしを離す輝。

身体の力が抜けてしまったあたしは、醜く床に崩れ落ちた。

肩で息をしながら、必死に胸を押さえている。





やがて、重い足音が聞こえ、誰かがこっちへ歩いていることを知る。






あたし……



何とか助かったの?