肩を抱いていた輝の手が背中に回り……
意識が朦朧とする中、
パチン……
何かが外れる音がした。
「え?」
思わずそう言ったのと、胸回りがやたらすっきりしたのは同時だった。
「やだ……」
頭が朦朧とする中、胸の前で手を組む。
あたしは絶体絶命。
これ以上、馬鹿なことをするのはやめて!!
だが、不意にあたしを離す輝。
身体の力が抜けてしまったあたしは、醜く床に崩れ落ちた。
肩で息をしながら、必死に胸を押さえている。
やがて、重い足音が聞こえ、誰かがこっちへ歩いていることを知る。
あたし……
何とか助かったの?



