え……!? 耳を疑った。 その言葉を発したのが正樹君だったらどんなに良かっただろう。 だけど、現実はそんなに甘くない。 山ちゃんの隣に立っているあいつが、あたしを見て微笑んでいた。 眼鏡の奥の瞳が、気味悪くきらりと光った。 山ちゃん、気付いて! あいつは悪者だ! 必死にそう願うが、山ちゃんは感心したように輝を見ており、 「じゃ、頼んだよ」 短くそう返した。