魔力を保てなくなって、少しずつ伸びる牙。 それが輝の唇を切り、血の味がする。 それでも容赦なくあたしを求める輝。 微かに離れた唇から、憎らしいその言葉が漏れた。 「感じてるんだろ?」 「なっ……」 反撃しようとするが、再び荒々しく口を塞がれる。 息すら出来ない。 アタマがおかしくなりそう。 「そうだ、もっと俺を求めろ」 嫌いなのに。 なのに、もっとこうしていたい。 あたしは何を考えているのだろう。 「輝……」 その憎い名前を呼ぶ。