この日、恐怖に怯えるあたしは、一睡も出来なかった。 あたしの存在が消されることに怯え、輝の存在にも怯えていた。 だけど…… 輝のキスを思い出す。 それだけで身体が熱を帯び、鼓動が速くなる。 あたしの身体があたしのものではなくなってしまいそう。 あんな嫌な奴なのに。 強引で、自分勝手で、頭が狂った奴なのに。