だけど、一向に身体が消える気配もなく、使者が来るわけでもない。 一体、どうしてしまったのか。 お兄ちゃんはあたしを抱きしめたまま、ゆっくり口を開いた。 「玲。明日は学校を休んだ方がいい」 促されるままにこくりと頷くあたし。 何があったかなんて、お兄ちゃんはとっくに知っているようだ。 「輝という男は危険だ」 ただ、あたしにそう告げた。