「噛むことねぇだろ」 輝は不機嫌そうにそっぽを向く。 「自業自得よ」 冷たく言い放ってやる。 きっと、輝は気付いていない。 牙が当たったことに。 あたしが噛んだと思っている。 ようやく落ち着いてきたあたし。 牙もなくなり、爪もピンクに変色したことを確認する。 だけど……こんなの初めてだった。 あたしの力が制御不能になるなんて。 輝は、恐るべし人間。