やっとの思いで輝の足を踏み、身体を離す。 それでも余韻はあたしの身体に深く刻み込まれ、魔力を吸い続ける。 「……てぇな」 そう言って口を押さえる輝。 その唇には、微かに血が付いていた。 慌てて口に手を当てるあたし。 唇の奥で、長く伸びた牙から血が滴り落ちていた。