有希の待つゴンドラが近付く。 窓に顔を付け、涙を流す有希は、すがるようにあたしを見ている。 「必ず……助ける!!」 残っている全ての力を出し切って、ゴンドラの窓をぶち破る。 破片があたしに突き刺さり、身体から血が流れる。 あまりの苦痛に顔を歪めるあたし。 その間にも、身体はどんどん感覚を失っていく。 もう、有希の顔すらほとんど見えない。