渾身の力で輝を振り払う。 輝は宙を舞い、周りの人を巻き込んで地面に倒れこむ。 輝じゃだめ。 あたしがやらないと。 例えこの身が泡になって消えても、大切な人を守り通す。 魔力は少しだけ残っている。 これだけあれば、あそこまでは飛べるに違いない。 力を振り絞り、悪魔の姿を解き放つ。 羽が伸び、角が生え、牙が覗く。 こんな姿、誰にも見せたくなかった。 有希にも、正樹君にも知られてはいけなかった。 だけど、裏切り者のあたしは悪魔に相応しい。