悪魔の力を使ってしまったことになど、気付いていなかった。 それよりも衝撃的な出来事が起こったから。 あたしの…… あたしの初キスを…… 「すんげえ力」 笑いながら起き上がる金髪を、ありったけの嫌悪を込めて睨むあたし。 まだ余韻の残る唇を、手で押さえた。 「仕方ねぇだろ。 女がいたら、ヤるしかねぇよ」 金髪はそう言って、嫌らしい笑いを浮かべる。 どこまでもあたしを馬鹿にする男。 出来ることなら殺してやりたい。