なのに、 「待て、早まるな」 どういう訳か、あたしを静止させる輝。 顔をしかめてあたしの手を引き歩き出した。 訳も分からず引きずられるようにして歩くあたし。 細い階段を上がり、メイン通りに出る。 そして、急に出現したかのように現れた人ごみに紛れた。 だが、人々の様子がおかしい。 皆が驚いた顔をして、上を指差したり見上げたりしている。 一体、どうしてしまったのか。