あたしたちは、気付いたら狭い道にいた。 中世を意識したような石畳が続いているが、人の気配すらない。 メイン通りを離れてしまったのか。 それとも輝が人を寄せ付けないようにしているのかとさえ思える。 こんな狭い道まで探したのに見つからないなんて! だが、輝は相変わらず冷静で、 「なぁ、このままだと無駄じゃね?」 痛い現実を突いてくる。 そんなことは分かっている。 だけど、これ以上どうしろって言うのだろうか。