「いじめに遭った」 「……え……」 返す言葉が見つからない。 輝がいじめられる? ……嘘でしょ。 「てめぇ、今笑ったな!?」 輝はそう言って顔をしかめ、あたしを見る。 「そ……そんなことない!!」 思わず否定してしまうあたし。 輝の弱みを握れて嬉しいはずなのに、あたしの心にたくさんの矢が突き刺さる。 輝の辛い過去を聞いて、輝と同じように胸を痛めるあたしがいた。