その時、 「白浜先生、いないね」 新しい声がした。 その声を聞いた瞬間、罪悪感があたしを襲う。 正樹君の後ろに現れたのは、化学の教科書を持っている有希で。 頬を少し染めながら、部屋の中を見回していた。 「教えてもらおうと思ったのに」 輝に淡い思いを寄せている有希が、今のあたしたちの状況を見たら…… そう思うと、胸が痛む。