ギギギギ…… 扉が軋み、ゆっくりと視界が開ける。 たくさんの実験台、フラスコ、試薬が見え…… そして…… 「おせぇな」 いつもの低い声が聞こえた。 お決まりのように、ビクリと飛び上がる。 そんなあたしを見て、満足そうに顔を歪める輝。 黒い髪に、黒ぶち眼鏡。 眼鏡の奥の瞳が、いつものように怪しく輝いた。 「て……提出物を持ってきただけです」 輝の顔を見ることが出来ず、俯いて早口でまくし立てるあたし。 その間にも昨日の出来事が頭をよぎり、顔がぼっと熱くなる。