結局、一睡も出来なかった。 ただの妄想の時間だった。 「起立」 別の声が聞こえ、慌てて飛び起きる。 勢いよく立ち上がったものだから、椅子を倒して教室中に音が響いた。 みんなが大笑いしてあたしを見るが、あたしはそれどころではない。 顔を真っ赤にして俯いた。