そんなあたしを心配そうに見ている正樹君。 「玲、大丈夫? 今日は具合が悪そうだけど」 本当に優しい。 正樹君の優しさに触れる度、あたしの心は痛む。 正樹君の愛情や善意が怖い。 心まで悪魔になれたら、どれだけ楽だろう。 そんな正樹君の視線は、あたしの首元に留まる。 そして、 「あれ……玲……」 不思議な声を出した。 「首……どうしたの?」