「お兄ちゃん……怖い」 あたしは呟いていた。 「あたし、ここまで大きくなったのに。 学校に友達だって出来たのに。 正樹君だっているのに。 なのに…… あたしは、いつか消えちゃうの?」 お兄ちゃんはその大きな手をあたしの頭に乗せる。 ほんのり温かく、ごわごわした大人の手。