どうしてだろう。 輝のことが気になって仕方がない。 あんな奴どうでもいいのに、誰かのものになってしまうのが酷く怖い。 相変わらず人通りのない場所で、ひっそりと存在しているクラブの扉。 高校生のあたしがこんなところにいるなんて、やっぱりどうかしている。 頭では分かっているのに、身体が言うことを聞いてくれない。 あたしの身体は、ただ真実を求めていた。 重い扉に手をかける。 そして、その扉をあたしはゆっくり開けた。