それから数分後だった。 明里さんが帰ってきたのは……。 明里さんは相変わらず優しげな顔で、にこりと笑っていた。 そんな明里さんに、 「輝は?」 と聞く。 泣いていたことがバレないように、下を向きながら。 きっとあたしの眼は腫れ、顔は紅潮している。 「彼は聖と外にいるわ。 ……あなたを待っている」 明里さんは静かに告げた。