「あー、重。 マジで骨が折れるかと思った」 わざとそう言って、輝はあたしを乱暴に地面に下ろした。 足にじーんと衝撃が走る。 「雛も元気になったしあたしは……」 とっととこの場を去ろうと思った。 これ以上輝と関わっていたら、危ない目に遭うのは確実だ。 だが、 「てめぇ、逃げる気か」 恐ろしい声が聞こえる。 そして、ぎゅっと身体を抱きしめられる。 それだけで、いつものように身体の力が抜けてしまう。 あたしの身体を抱き寄せたまま、 「いい娘だ」 耳元で輝は言った。