あたしに背を向けて立っているのは、他ならぬ正樹君。 傘を持つ手が微かに震えていた。 そんな正樹君の前にいる男。 奴は雨なのに傘なんて持っていなくて。 その金髪が雨の中煌々と輝いていた。 歳はあたしより、数歳上だろうか。 恐らく大学生くらいだ。 だが、その口は勝ち誇ったように歪み、目は獲物を捉える鷹のように光っていた。