そっと雛を持ち上げ、手で包み込む。 その間にも雛は体温を失い、冷えていった。 何より、あたしの魔力が雛の具合をさらに悪くさせているようで。 慌てて地面に置き直した。 死なせたくない、助けたいと思うのに、触れることすら出来ないなんて。 あたしは…… 悪魔は、誰かを元気にすることなんて出来ないの? なす術もなく雛を見つめるあたしは、雛と同じように震えていた。