放課後。 「翔輝、今日は先帰ってて?」 「…またバンドするのか?」 「歌の道に進む事を勧めたの、翔輝じゃない」 そうだけど…と言う翔輝。 どうしてそんなに嫌そうな顔するの? あの時の言葉は…嘘だったの? 急に悲しくなる。 ようやく翔輝に認めてもらえたって、思ってたのに… 「とりあえず、行くから」 私はそう言って、翔輝の顔を見ずに走り去った。 「幸望!」 という声が聞こえたけど、聞こえないフリをした。