「………幸望ちゃん、顔あげて」 そう言われて顔をあげると、柔らかく微笑む亮二先輩が視界に入る。 「こちらこそ、よろしくね」 「はい……!」 お父さん、お母さん。 見てますか? 私ね、また、みんなの前で歌う道を選んだよ。 もう二度と、歌わないって決めたのに…… 2人の前で誓ったのに… やぶって、ごめんなさい。 でもね、私。 みんなに笑顔を届けたい。 先輩方と一緒に。 だから、見ててね。 私が頑張る姿を――――――