教室を出ると、翔輝がいた。 「…今から行くのか?」 「うん、行ってくるね」 私がそう言うと、翔輝は少し苦い顔をして、 私の頭をなでた。 「……早く帰って来いよ」 と言うと、帰って行った。 翔輝には昨日、みっくん先輩に会いに行く事を伝えた。 はじめは怒った顔をしていて、次に不安そうな顔をした。 私は必死に何もないことを言って、 「私が好きなのは翔輝だけだから」 と、いつもは言わないような事も頑張って伝えた。 そうしてようやくOKが出た。