「こんな夜に、あいつの名を呼ぶことがないように。俺だけを見ていればそれでいい」 「随分ね。あたしはミズキの名しか呼ぶ気はないのよ」 「それなら幾時間でも、あなたが俺を呼ぶその時まで傍にいるとしよう」 「誤解されるからね、その言い方。犯罪チックよ」 「かまわないさ」