「…見ていたなら、人が悪い」

 「監視?ストーカーは嫌いよ」

 冗談を交えれば笑って返された。

 「君を癒せるならなんとでも。何にもなれる。ストーカーでも変質者でもスパイでも探偵にでも」

 ユエリの冗談混じりの言葉にリリコは微笑んだ。

 「そうね、あんたはあたしのためならなんにでもなってくれるんだものね」

 窓の奥の空が暗いからか、悲しい程にリリコが小さく見えた。