2011年、10月10日。


午後5時53分。


私と夫にとって初めての子供が誕生した。


2820g、元気な男の子。


お腹の中にいる時に「小僧」と呼んでいた息子は真っ赤になって泣きながらこの世に登場した。


出産から1時間後。


私は分娩室でストレッチャーの上に寝かされたままひとり放置されていた。


産後2〜3時間は安静にしていなければならないとのことで、こうなっている。


で、生まれたばかりの息子はと言えば先ほど体をキレイに洗ってもらい服を着せてもらい、夫に抱かれて分娩室の外へ出て行った。


別室で待ちわびている両親ら家族たちの元へ、お披露目に行ったのだ。


興奮冷めやらぬ私は天井を見上げながら先ほどの光景を何度も反芻するように思い出した。


陣痛の痛みを取り除く無痛分娩による出産だった為、出産直後の今も痛みは全く感じない。


小心者の私が、麻酔のおかげでゆったりとした気持ちで出産することが出来た。


息子も少し小さめではあるが、元気に生まれてきてくれた。


第一子の出産というのは、人生の中でも一、二を争う程のドラマティックなイベントだと言われているが、なるほどその通りであった。


つい先ほど自分の身に起こった分娩という出来事が、現実のものとは思えないような気にさえなってくる。


ふふふ。


小僧、くしゃくしゃな顔していたな。


まさにお猿さんだ。


「お猿さん」小僧は、しばらくすると新生児室へと連れて行かれ、私はようやく自分の部屋へ戻ることが出来た。