私の顔が赤くなったのを感じた。
「わ、悪い?そーゆーあんたはどうなの?」
「俺あんたじゃないし。空だし。」
「空は彼女とか好きな人いんの!?」
私は言い直した。
改めて『空』と呼ぶと、なんか照れてしまう。
空が笑顔で、
「これから空って呼べ。お前のこと香菜って呼ぶからさ。」
私はまた顔が赤くなるのを感じた。
「うちは、空の女友達ってこと?」
「そうゆうこと。」
私は嬉しい気持ちもあり、嫌な気持ちもあった。
「ってか話ずれてる!空は好きな人か彼女いんの!?」
「彼女はいるよ。2年2組の佐々木麻実。」
私は耳を疑った。
「えっ!麻実!?」
確かに、麻実は彼氏がいるって聞いた。
でも、その彼氏が空だなんて…
私は喜んでもいいはずなのに喜べなかった。
むしろ悲しみが大きかった。