キーンコーンカーンコーン
チャイムがなったから私は席についた。
私の席は真ん中の列の一番最後。
隣は去年クラスが一緒だった加藤祐介。
「おっ!祐介じゃ〜ん!」
「うわっ!香菜じゃん!うわ〜」
「何がうわ〜なのよ!」
そんなやりとりを何回もしていた。
そのときだった。
「へぇ〜。祐介と香菜って付き合ってるんだー」
窓側から声が聞こえた。
二度と聞きたくないと思っていた声。
その声の主は…


空だった。
「「付き合ってないし!」」
祐介と私が同時に言った。
「それにうち、彼氏いるし!」
「へぇ〜。意外!誰?」
空が私に聞いた。
「渡辺一樹。どうせあんた知らないでしょ?」
「…………知ってるし。」
私は耳を疑った。
私が予想していた答えと別の答えが返ってきた。
「……え?」
「渡辺一樹でしょ。俺知ってるよ。前同じ組だった。…へぇ〜。あんたの彼氏、一樹なんだー。」