「何か新しいものを得ろうとしたならば、何かを捨てなければならないというのが世の常です。それを変えることはできません。そして、今、長州の方々が新しい未来を手に入れようとなさっているのならば、その犠牲として私の大切な人が傷つき、いなくなってしまうかもしれない。いいえ、そうなってしまうのです。」
「なぜだ?なぜわかる?お前は、幕府側の人間なのか?」
「幕府側、ですか。いつから日本人はお互いに敵対するようになってしまったのでしょうね・・・。私は幕府側の人間ではありません。ですが、新政府側でもありません」
「お前の言い分はよくわかった。でもな、日本の未来のためにこうしなければならないんだ。これは、避けては通れない道なんだ」
「そうですか・・・でもなぜ、私にこんなことをお聞きになったのですか?」
「気まぐれだ」
侍はそう答えたが、美土里はそうではないのだろうと考えていた
この男は本能的に美土里の何かを感じていた
でなければ、ただの町娘に日本の未来のことなど聞かないし、それは無意味なことだ
美土里は長州のやつらも勘が鋭いと感じ、今後の参考にと彼らを観察すことに・・・


