美土里と枡屋は一通り会話を済ますとそれぞれ行動を始めた
桝谷が出て行ったのを確認するとまずはさっさと酒を運び出さなければならない
最低限のおもてなしの用意を済ませ、残りの時間を証拠探しに使おうという魂胆だ
先におつまみや食べ物の下ごしらえをした後、酒を運び出して・・・
そのとき、ふとまたあの気配を感じた
味方ではあるがここでいろいろと感づかれるのは避けたいと考えた美土里は普通の女が持てるぐらいの量の酒を持ちながら蔵と屋敷を何往復もしていた
すると途中から気配が消えたので、残りをさっさと運び出し、蔵の中を調べることにした
酒のかごをもちろん一つ残して・・・
蔵の中を調べてみても一向に何も出てこない
ここは何かを隠す場所にはうってつけだ
誰かが無言で入ることなど出来ないし、薄暗く少し戸を開けたぐらいでは中身が見えることもない
そこまで重要でなくとも何らかがここには隠されているという確信が美土里にはあった


