風に舞う~美しく舞う魂たち~




次の日、荒木田佐馬之助・楠小十郎が長州の間者として粛清された


そのころ、美土里はというと桝屋という呉服屋に来ていた


来ていた、というよりも泊まっているというほうが正しい


それも、女装をして・・・


いや、元々は美土里は女であるが・・・


なぜ、美土里が桝屋にいるのか・・・それは潜入である


美土里は会津藩の御庭番だったのだ


御庭番とは将軍から直接の命令を受け、秘密裡に活動し情報を集め報告する隠密のことである


(間者や忍びなどとは全く違うものだ)


美土里はいろいろな事情から幼いころから御庭番として将軍に仕えてきた


今回だって今までと何ら変わりはなかった・・・はずだった


今までたくさんの組織と関りを持ってきた美土里にとって新選組もそのうちの一つになるだろうと考えていたのだが・・・


なんだか今までと違う気がしてならなかった