愛するお方が蛇となりました



「生活……」


言われ、ハッとする。


今のあなたは小物蛇。手も足もないロープ姿で、舌も小さい。


あのたくましい両腕でワタクシをぎゅうっとしてくれたり、ワタクシが呼べばすぐに駆けつけてくれる長い足もなく、ワタクシの体隅々まで愛してくれる舌もなければ――


「せめて、アナコンダサイズなら満足出来るのに」


「何の話だ!」


叩かれた。
マゴの手を弾いて間接的に。


「いえ、あなたが愛してくれるならばそれで満足よ。もっともあなたが出入りして満足いくかは知らないけど」


「やっべー、噛みつきたくなってきたー」


何故だか震える体は、蛇が変温動物のせいか。寒いならばワタクシの体で温めたいところだけど、事は一刻を争う。


「夜が来る前に、元の体に戻らなきゃね」


「その言葉の裏を知らなければ幸せだっつーのに……」