愛するお方が蛇となりました



「会社までついてくるのは、なしな」


護衛を却下されてしまえば、包丁持つ手も下がる。


「早く帰って来てね。今日は、昨日食べそびれたすき焼きよ」


「分かった分かった。お前はきちんと家事してろよ」


行ってくると背を向けながら、軽く手をあげるあなたを見送る。


ああ、泣きたい。あなたが傍にいなきゃ万年泣いていられるけど。


「せめて安心させろ。泣かれちゃ気になる」


なんて玄関の扉閉める前に言われれば、泣くに泣けない。


あなたが不安にならないよう、ワタクシ今日も涙を堪えます。


とりあえず、線香臭いこの部屋の掃除から始めたのだけど、トゥルルルとあなたからの愛コール。