愛するお方が蛇となりました



「だからまだ諦めんのは――あ」


と、思い出したかのように目をぱちくりさせたあなた。


「そうだ、先月。前のことだから忘れてた。俺……蛇を轢いたんだよ」


「だからあれほど車は運転しちゃいけないと言ったのに!あなたの気を引きたいがべく、わざと車の前に飛び出す女がいたらどうするというの!?」


「そりゃ、出会った頃のお前だよ!――ともかく、そうだ。蛇轢いたんだ!もしかしたら、あれが。くそ、なんで今更っ」


「蛇は七代先まで祟ると言うから……」


「ああ。……あれ、それ猫じゃね?」


「怒った蛇が今更になってあなたに復讐したのは、ドッキリも兼ねてでしょうね。意識を失うほどびっくりし、原因が分からないとあたふたする姿を、あそこら辺で見てせせら笑っているに違いないわ」